COLUMN teru 釣り科学

【釣り科学】 色彩学よりルアーの色を真剣に考察する その1

みなさんはルアーの色に ”こだわり” がありますか?

私は、大学生(某美術大学)の頃に色彩の勉強をしていたこともありルアーの色に関しても人一倍こだわりを持っています。
今回は、そんな色彩学の観点から真剣にルアーの色について考えてみたいと思います。


世界の色は「三原色」たった3色で作られている。という壮大な話からスタートしたいところですが、めちゃくちゃ長くなるので要所のみを割愛し、より分かり易くするため「シアン=水色」「マゼンタ=ピンク」として話を進めさせて頂きます。
(※詳しく知りたい方は分かり易い記事を見つけたので是非参照ください。)

《一部引用》

「光の三原色(RGB)」と「色の三原色(CMYK)」と「補色」

結論から言わせて頂きますと、ルアーカラーの選択においては「補色」を知ることがとても大事で、補色を知るためには「光の三原色(RGB)」と「色の三原色(CMYK)」を知る必要が有ると思います。

簡単簡潔に説明すると・・・

「光の三原色」は 、赤(R)緑(G)青(B)の3色で加法混色した 光の色
=光の色は、RGBの3色を混ぜることで多くの波長が生まれ波長が増えるほど白色光に近付く。

「色の三原色」は、水色(C)ピンク(M)黄色(Y)の3色で減法混色した物質の色
=物質は光(色)を吸収し反射した(吸収できなかった)光の波長が色として見える。CMYの3色を混ぜることで吸収する波長が増え、吸収する波長が増えるほど黒色(K)に近付く。

「補色」とは、光の三原色 と 色の三原色 において
×水色×ピンク×黄色 と対比色の関係になっており、言わば「相反する波長をもつ色」と言うことになります。

※上記はあくまでも三原色を基にしており、光度や相関性・色法なんかを加えるともっと深い話になりますが今回は割愛させて頂きます。


前置きが長くなりましたが、じゃあルアーとはいったい何の関係があんのよ!って話です。

フィールドの色からルアーカラーを選択する

海や空の青色

山や水生植物の緑色

ボトムや岩盤・ティンバー等の色

水色 などなど・・・自然界にも様々な色が存在します。
フィールドの景色(つまりマテリアル色)は魚目線から見た光の色であり日常色な訳で、単純な実績色だけではなく、これらを考えながらルアーの色を選択してみるのも面白いんじゃないでしょうか。

ルアーカラーの選択

そして、釣り人目線では「何色のルアーを選択するか」と言うところ・・・

上記の通り、三原色と補色の関係性を鑑みた時。
単純に「一番目立たせたいのであれば補色を選択する」と言うことになります。

海や空の青色に対してはチャート系の色
山や水生植物の緑色に対してはピンク赤系色


シーバスルアーでの定番色がドチャートやレッドヘッドなのは、海の青色に対する補色。トラウトのスプーンやソルトウォーターにおいてもピンク~オレンジ、赤金などが鉄板なのは補色関係なのかもしれませんね。


逆に「一番目立たせたくないのであれば同系色(近い波長)を選択する」と言うことになります。一般的に「リアルカラー」と呼ばれるルアー程ナチュラルと言われますが、私的には「マテリアルと同系色=ナチュラルカラー」の認識です。

ウィードエリアでのウォーターメロンやボトムマテリアルに近いグリパン等は目立たない色であり、魚の背中が黒っぽく腹側が白っぽいのが多いのは外敵から身を守るための保護色のため、リアルカラーもそれなりの使い方をしないと逆効果なのかもしれません。

シイラがボトムに居たらめちゃくちゃ目立つかもしれませんね・・・

つづく

今回は補色の観点からカラーを考察してみましたが、これはあくまでも同光量であることが前提。もちろん、何色が釣れて何色は釣れないって話じゃありませんが、こんな事を考えながら釣りするのも楽しいのではないでしょうか。

次回は、その辺も掘り下げ「色彩では補えない特別な色」なんかもコラムにしたいと思います。

考え方は人それぞれかと思いますが考察し合うことが楽しく、皆さんの釣り話題の一部のなれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

-COLUMN, teru, 釣り科学
-,